メールマガジン No,12    (2019年3月12日)       個々の顧客を識別する方法

現在の顧客、あるいはターゲットとして設定した顧客全てに同じように接する
ことはできません。
営業の人的資源には限りがあり、顧客との関係を深めれば深めるほど時間と手間がかかるようになります。
従って、何らかの基準で顧客を識別する必要があります。
顧客を識別する方法として個々の顧客を評価する方法と相対的に評価する方法を紹介します。

この方法では個々の顧客と自社との関係性を分析します。
階層1から順に、関係性が深くなっていきます。

階層1 製品を知らない潜在顧客
そもそも製品の存在を知らない顧客。
問題の存在は認識しているがその解決に役立つ製品の存在を知らない顧客はもちろん、問題の存在すら認識していない顧客も含まれます。

階層2 製品に関心のある潜在顧客
自ら抱える問題を認識しており、その解決に製品が役立つことを知っている顧客。
製品のサプライヤーをどこまで認識しているか、が重要な顧客です。

階層3 新規顧客
初めて製品を自社から購入して頂いた顧客。

階層4 リピーター
複数回、自社から製品を購入して頂いた顧客

顧客5 ファン
製品のみならず企業として贔屓にし、応援してくれる顧客。
他の潜在顧客にも積極的に紹介してくれる顧客です。

営業としては、各階層の顧客を更に上の階層にランクアップさせる努力が必要
となります。
それぞれの段階では特有の課題も存在します。

階層1から階層2へ
問題の存在を認識していない潜在顧客には、まず問題を認識させる必要があり
ます。
潜在顧客が問題の存在を認識すれば、その解決に役立つ製品があることを知ら
しめなければなりません。
つまり問題の存在と製品の存在を認知させる活動が必要となります。
この段階での課題は、そのような顧客の存在をどうやって探索するのか、また
探索できたとしてどうやってアプローチするのか、その対策の実施です。

階層2から階層3へ
ここでは次の2種類の顧客が対象となります。
・全く初めて製品を購入する顧客
・既に他の企業から同様の製品を購入している顧客
それぞれの顧客に対するアプローチは異なりますが、営業の主活動である販売促進を展開することになります。
全く初めて製品を購入する潜在顧客には、どのように自社の存在をアピールするか、が課題になります。既に他の企業と取引を行っている潜在顧客へは、どのように自社の優位性をアピールしていくかが課題となります。

階層3から階層4へ
新たに製品を購入して頂いた顧客と関係を深めていきます。
顧客満足を高め、継続的なコンタクトを取ることが求められます。

階層4から階層5へ
顧客と相互依存の関係を作っていきます。更に関係を深めていくにはどうするか、どうやって顧客の離反を防ぐか、が課題です。