メールマガジン No,11    (2018年12月4日)       組織の購入プロセス(2)

お世話になっております。
生産財マーティング研究所です。

前回は、生産財における購入プロセスをご紹介しました。
このようなプロセスを経て行われる生産財の購買ですが、組織として行われるため、
多くの方が関係してきます。
それらの人々は「購買センター」と呼ばれ、5つに分類されています。

1 ユーザー
文字通り購入した財を使用する人

2 インフレンサー
専門的知識に基づく助言を行い、生産財や購入先の選考に影響を与える人。

3 バイヤー
購買行動に関する正式な手続きを行う人。

4 意思決定者
正式な権限の有無に関わらず、実際に購買の意思決定を行う人。
組織の中の誰が該当するか見極めが難しいことが多い。

5 ゲートキーパー
他のメンバーが接する情報を管理する人。購買担当者や受付、秘書などが相当します。

重要な点は、先の購買プロセスにおいて関わってくる人が異なることです。

「問題の認識」の段階では、ユーザーが自ら抱える問題の解決策として生産財を求めたり、意思決定者が業務の効率化や競争上の必要性などから生産財の導入を検討します。
「必要品の概要記述」では、ユーザーが意思決定者にどんな生産財が必要か申し入れ、意思決定者が予算措置を行います。

「製品の詳細仕様」の段階では、インフレンサーが登場することがあります。
インフレンサーは、専門知識から生産財の仕様やサプライヤーの推奨やアドバイスを
行います。「サプライヤーの探索」では、バイヤーが複数のサプライヤーに照会を行います。

この段階で、サプライヤーの営業が引合いを得ることになり営業活動がスタートします。
「提案の収得や分析」では、バイヤーが単独で、あるいはユーザーやインフレンサーと協力しながらサプライヤーから取得した見積書や提案書を分析し、「サプライヤー選定」を行います。

この時、意思決定者がサプライヤーや購入金額の決済を行います。
「注文内容の決定」では、バイヤーとユーザーが発注仕様の詳細や引き渡し条件をサプライヤーの営業と交渉しながら決めていきます。

そして納入後、ユーザーが納入された生産財の「パフォーマンス評価」を行います。

サプライヤーの営業としては、今現在、商談がどの段階まで進んでいるのかを正確に把握し、その時々においてキーとなる人物に接触しなければなりません。
また出来るだけ早い段階から購買プロセスに関わることで、競合するサプライヤーよりも有利に商談を進めることができます。