メールマガジン No,10    (2018年9月18日)        組織の購入プロセス(1)

お世話になっております。
生産財マーティング研究所です。

生産財の購入は、組織の購買行動として行われます。
以下は、その代表的なプロセスです。

①問題の認識
②必要品の概要記述
③製品の詳細仕様
④サプライヤーの探索
⑤提案の取得と分析
⑥注文内容の決定
⑦パフォーマンス評価

組織の購買では、複数の人物が関与するため個人の購買行動よりもシステム化
されています。

「問題の認識」とは、製造ラインの新設や従来のサプライヤーへの価格や品質
への不満などで新たな購買行動が必要となることを意味します。
またサプライヤーから新製品の紹介やコスト低減の提案などを受けて現状の生産
活動の問題を認識することもあります。

「必要品の概要記述」では、認識した問題の解決のため、どのような機能・特徴
を持つ生産財が必要かを検討します。
検討された財について、実際に発注が行えるように詳細の仕様を決定していきます。
これが「製品の詳細仕様」の段階です。

一連の手続きで製品の詳細が決まると、「サプライヤーの探索」に入ります。
求める生産財が高額であったり特注品であった場合、サプライヤーの探索には多く
の時間と労力が投入されます。
規格品や標準品の場合は、一気にサプライヤーの選定にまで進むこともあります。

「提案の収得と分析」では、各サプライヤーからの提案を関係者間で分析します。
その結果、要求仕様に満たない提案のサプライヤーは検討対象から除外されます。
分析の結果、候補に残ったサプライヤーに対して個別の交渉が行われます。
サプライヤーから提示された価格や納期を比較し、最終的に発注するサプライヤー
を選定します。

選定したサプライヤーと詳細仕様の打ち合わせや納期の確定が行われ、「注文内容
が決定」します。
注文内容が決定してから発注されることもあれば、内示発注が行われてから注文内容
の詳細が決定されることもあります。

購買プロセスは、生産財が納入されて終わったわけではありません。
納入された後はサプライヤーや納入された財の評価が行われ、取引が継続されるか他のサプライヤーの探索を行うべきかの意思決定が行われます。

もちろん全ての購買がこのようなプロセスを経るわけではありません。
反復的な購買であればいくつかの段階が簡略化されたり、省略されることもあります。
場合によっては購買行動そのものが中断されることもあるでしょう。