メールマガジン No,9    (2018年9月04日)        生産財の取引における特徴(2)

前回は、生産財の取引自体の特徴を考えてみました。
では、組織はどんな目的で生産財購入するのでしょうか?
ここでは、大きく6つ理由に分類してみます。

1 コスト低減
コスト低減のために新しい製品やサプライヤーを求めるケースです。
現在のサプライヤーへコスト低減への協力を要請するケースもあります。
コスト低減のために品質をどの程度まで犠牲にできるのかの見極めが重要になります。

2 安定供給先の確保
顧客企業の生産活動に欠かせない部品や原材料などの安定供給先としてサプライヤー
を探索するケースです。
顧客企業にとって購買対象となる財の重要度が高ければ、コストよりも安定供給の方が
重要視されることもあります。

3 品質改善
顧客企業が自社の製品の品質向上を図る場合、従来使用していた生産財よりも性能や
品質の優れた財を要求します。
従来の財と何がどう違うのか、どこがどのように改良されているのか合理的に説明できる
必要があります。

4 適性在庫の維持
在庫管理費用や発注費用の最適化のために行われる購買です。
財の重要度により在庫管理の方法が異なってきます。供給しようとする財が、顧客企業に
とってどの程度重要かを見極める必要があります。

5 リスク分散
財の供給を特定のサプライヤーに依存している場合、そのサプライヤーの影響力は大きく
なります。
万一、サプライヤー側の事情で供給が止まってしまえば、生産活動も止まってしまう
リスクがあります。
そのようなリスクの分散のために、需要側としては複数のサプライヤーを確保してことは
有効な手段です。

6 取引上の要請
取引上の都合により、親会社や顧客から生産財の供給を受ける場合があります。
コストや品質はさほど重要ではないため、他のサプライヤーが参入するにはかなり障壁が
高いと言えます。

このような目的を持って、生産財は購入されています。